2023.03.20
20歳でプロ棋士を断念。元奨励会員の私がファーストロジックに入社したわけ
「自分の適性や、培ってきた能力を活かせる仕事に就きたい」
そんな思いを持っている就活生の方は多いのではないでしょうか。その道のプロを目指してきた者や、学生生活を通じて部活動に打ち込んできた方なら尚更だと思います。
現在、24卒の内定者としてファーストロジックでアルバイトをしている私も、そういった思いから当社への入社を決めました。今回は私と同じように、「将棋に打ち込んだ経験を就職に活かしたい」という学生の参考になればと思って、本記事を執筆しました。少しでもファーストロジックと、将棋選考への興味を持っていただけたら嬉しいです。
10年間、将棋しかしてこなかった私の就職活動
私は14歳の時にプロ棋士養成機関の奨励会に入会し、20歳で退会するまで将棋のプロを目指して修行を積んできました。学校が終わったらすぐに帰宅して毎日5時間程度、対局や序盤研究などに取り組む日々。最後の1年は大学を休学して、起きている時間のほとんどを将棋の勉強に充てる生活を送っていました。
「21歳までに初段」という規定の年齢制限を前に、20歳1級の状態で年度末の3月を迎えて夢を諦めることを決めた私は、悔しさ以上に「じゃあ自分はなにになるべきなんだ?」という思いが湧いてきました。奨励会に入会するまでの期間も含め、10年以上将棋しかしてこなかった自分が?
そんな疑問を抱えながら2年生として大学に復学した私は、アマチュアとして将棋大会や仲間との研究会に参加するなかで将棋の楽しさを再認識し、再びのめり込んでいきました。「社会人になっても将棋に関わり続けられる仕事に就きたい」という思いが強くなり、就職活動を行う上での軸の1つになりました。
また、当時私は将棋を研究・解説する記事を趣味程度に書いており、そういった能力が活かせないか試す意味もあって、棋戦運営を行う全国紙の、記者職を第一志望に就職活動を開始しました。ただ、出版・マスコミ系はたとえ入社できたとしても、激務でプレーヤーとしては将棋を続けられないだろうなというネックがありました。
そういった悩みを抱えながらの就職活動では、面接でも歯にモノが挟まったような言葉しか出てこず、やる気もあまり出ずという有様でした。1月の始めに数社落選した段階で「やりたい仕事と将棋を天秤にかけるような就活をこのまま続けていいのか」と真剣に悩み始めました。
この時点で、IT企業であるファーストロジックは私の中の選択肢には入っていませんでしたが、「将棋選考」が私の運命を大きく変えることになりました。
ファーストロジックとの出会い
私がファーストロジックを知ったきっかけは、同社が協賛する「全国オール学生選手権戦」でした。私にとっては、一昨年全国準優勝の成績を残すこともできた思い出深い大会です。
昨年夏の団体戦で、開会式のスポンサー挨拶で人事の方が登壇し、さわやかに一言「将棋が強い方を採用したい。そんな思いで本大会に協賛しております」と言って立ち去って行ったことが印象的でした。ただ、正直なところその時はファーストロジックという会社にそれ以上の興味がなく「将棋大会を開いてくれるのはありがたいけど、変わった会社だなあ」と思ったばかりでした。
しかし、今年1月の大会に出場した際「将棋選考」という、あまりに興味深すぎる単語が一面に踊るパンフレットを手渡され、さすがに心が動きました。
帰宅してファーストロジックについて調べてみると、「楽待」という不動産投資家向けポータルサイトを運営していること、自社メディアとして40万人を超えるYouTubeチャンネルや「楽待新聞」というweb媒体を持っていて、記者職として働くこともできるということを知り、興味が深まりました。
調べていく中で印象的だったのが、開示されている情報が多いことです。採用情報専門のYouTubeチャンネル(!)や、採用ブログ上で、自社の選考についてどういった点を重視するか、そのために面接ではどんな質問をしているか、職場の様子はどんな感じか、果ては給与の決め方やよくある退職理由、当社に向いていない人の例と、過剰とも思えるほどの情報量。私の中での就活の常識を覆すほどの情報開示に圧倒され、どんな会社なのか確かめたくなり、応募を決めました。
将棋選考の良さ
将棋選考の良さは、「嘘をつかなくていいこと」だと思います。
私は3年生の9月から就職活動をはじめ、学生時代将棋に打ち込んできたこと、そこで培った能力が仕事にどう活きてくるか、といった内容で自己PRを行ってきました。
そのたびに、「自分が将棋に打ち込んできたことは真実なのに、面接の席に座るとどうにも嘘をついているようでならない」という思いが心をかすめました。
それは、「本当に将棋という特定の競技での経験が、仕事に活かすことができるのか自分でも自信がない」という葛藤があったからです。そして、受かっても落ちても理由がよくわからないモヤモヤした状態が続きました。
その点、ファーストロジックは「論理的思考を重視する社風と将棋の競技性の親和性が高い」ということで、将棋の経験を高く買ってくれましたし、能力をPRする方法は「対局」。1ミリも自分に嘘をつくことなく、実力を示すことができれば合格という、勝負の世界で育った私にはマッチした選考でした。
そもそも、ファーストロジックの採用モットーは「正直採用」。
ミスマッチを生まないことを最大の目的とした選考となっており、進んで就活生に情報を開示することも、「面談・面接でのNGはなく、すべての質問に答える」という姿勢も、ミスマッチを避けるという目標に向けて一貫されたものでした。
その代わり、学生側にも正直に能力・性格・こだわりを開示してもらって、ファーストロジックとミスマッチがないか選考段階で見極めたい。そんな狙いが「将棋選考」や、この後の「体験入社」という、自分を偽りようがない実践的な選考過程にも表れていると思います。
初の開催となる、今年の将棋選考の試験官は瀬川昌司六段。
瀬川先生の三面指しなので対等な勝負ではないですが、プロ棋士の先生に平手で挑むことになるので、厳しい勝負になると覚悟しました。実力を出し切ってダメなら仕方ないと割り切って、特に奇をてらわず得意の「三間飛車」に構えました。時間を使いすぎず決断よく指したのが功を奏し、うまく捌いて勝つことができました。
入社の決め手
幸運にも将棋選考を通過することができた私が、入社の意向を固める決め手になったのは体験入社でした。
希望通り記者職チームに配属していただき、企画立案・執筆の課題を通して趣味で書く文章と、読み手を意識して書く、プロの文章との違いを丁寧に教えていただきました。
企業側にとっては、私が質問するたびに仕事の手を止めて答えていただくという、負担の大きいプログラムだと思います。しかし、皆さん忙しい中にも関わらずにこやかに、丁寧に質問した以上のことを教えてくださり、学びの多い時間を過ごすことができました。
気づけば、その日出社していたチームの全員と会話をすることができ、「この職場でこの人たちと仕事をするんだ」というイメージをつかむことができたこと、たった1日とはいえ、その仕事内容を認めての内定をいただけたことが、入社の後押しになりました。
現在は内定者アルバイトとして少しずつ業務に取り組み始めているところですが、今のところギャップはまったくありません。
本記事を読んでファーストロジックに興味を持たれた将棋好きの皆さんは、潤沢に公開されている当社の採用情報をチェックしていただき、自分に合っていそうだと感じたら、ぜひ選考に参加していただければと思います。
職場に将棋仲間が増えることを心からお待ちしてます!