「記者」と聞くと、多くの人は「自分で取材をして記事を書く仕事」を思い浮かべるのではないでしょうか。
たしかに、楽待新聞の記者も取材を通じて記事を執筆します。けれど実はもう1つ、欠かせない大切な仕事があります。
それが、「編集」という仕事です。
ジャーナリストや専門家ら、外部執筆者が書いた記事をブラッシュアップする。さらに、世の中にいる「面白い」人やものを探し出し、より多くの方に届くように「翻訳」する。
それが「編集」なのです。
編集をすることの楽しさ、やりがい、そして難しさ―。楽待新聞編集部の知られざるもう1つの顔、「編集」についてご紹介します。
良さを生かし、わかりやすくする難しさ
楽待新聞の記者は、取材・執筆と並行して編集の仕事も担っています。
自分たちが取材した記事であれば、ある程度は自分の力で完結させることができます。しかし、編集は外部の執筆者と一緒に「より良い形」を作り上げていく共同作業です。
自分の文章なら、自分の意図どおりに書き直せます。けれど、他者の文章をより良くするとなると、まったく別の難しさがあります。
外部ライターの記事には、それぞれの個性があります。テンポのいい文体、専門的な分析、温かみのある語り口。どれもその人にしか書けない魅力です。
編集者は、その良さを生かしつつ、より「読者に伝わる形」に仕立て直す必要があります。
しかしそれは簡単なことではありません。文章を読みながら、「ここは残したいけれど、少し伝わりにくい」「自分ならこう表現したいけれど、直しすぎるとその人らしさが消える」と、常に葛藤があります。
自分の癖や思考を押しつけずに、執筆者の「らしさ」を保ちながら整える…。その塩梅を見極めることが、編集の一番の難しさであり、やりがいでもあります。

法律・税務記事を「わかる形」にする
楽待新聞では、弁護士や税理士といった専門家に記事を執筆してもらうこともあります。
扱うのは、不動産投資家にとって重要な「法律」「税務」「制度」などのテーマ。読者にとって実践的な知識である一方で、内容が難しくなりすぎると「読む人を選んでしまう」という課題もあります。
そのため、編集部では「専門性」と「わかりやすさ」の両立を常に意識しています。
記者も、最新の制度や法律の条文を調べ、確認しながら、自分自身が正しく理解したうえで編集を進めます。
自分が理解できないことは、読者にも伝わらない。だからこそ、編集者も日々知識を吸収しながら、「専門的な話をどうすれば投資家にとって役立つ記事にできるか」を考えています。
共同作業で生まれる「より良い記事」
編集の仕事は、1人では完結しません。外部執筆者と何度もやり取りを重ね、構成や表現を相談しながら、少しずつ記事を磨いていきます。
ときには意見がぶつかることもあります。それでも、「もっと良くなるはず」という思いを共有しながら、一緒に形にしていく過程そのものが面白いのは事実です。
時には、「編集者」だからこそ気づける視点もあります。執筆者は「面白くないかな」と原稿に書いていなかった部分を、「こういう風にしたらすごく読者の役に立つと思います」「よりわかりやすくするために、この説明を入れたらどうでしょうか?」などと提案し、一緒に作っていきます。
外部執筆者とテーマを相談し、試行錯誤を重ねて公開した記事が、過去最高の閲覧数を記録したこともありました。
もちろん数字上の喜びも大きいものでしたが、それ以上に「外部執筆者と一緒に作ったからこそ」の喜びもありました。
記事を通して、人を輝かせる仕事
楽待新聞には、さまざまな執筆者が関わっています。
もともと有名だった方もいれば、楽待新聞での連載をきっかけに大勢のファンがついた方もいらっしゃいます。
中には、非常に面白い考えや熱量を持ちながらも、テーマが専門的だったり、多くの方に見られるような発信する手段がなかったりして、世の中に届いていない方もいるのが現実です。
たとえば、楽待の人気連載の1つに、家賃滞納をした方から家賃を回収する仕事をしている方の「悲哀」や「苦労」を本人に書いてもらうものがあります。
普段はなかなか知ることのできない世界であり、こうした方に「楽待新聞で発信していただけないか」と声をかけ、実際に執筆いただき、公開。この結果、新しい記事が出るたびに多くの方に読んでいただける人気連載となりました。

そうした「マニアックな魅力」を、より多くの人に興味を持ってもらえるように編集し、届けることも、私たちの大切な役割です。
記事の編集(リライト)は、単に文章を整える作業ではなく、人のこだわりや情熱を、読者に伝わる形へと「翻訳」する仕事なのです。
そんな方々の文章がより多くの読者に届くように支えることも、編集者の大切な使命です。
書き手の魅力を引き出し、読者に伝わる形にする。この橋渡しこそ、編集の醍醐味です。
記者として自分の言葉で伝える力を磨くと同時に、編集者として人の言葉を生かす力を育てる。この2つを兼ね備えられるのが、楽待新聞の記者職の大きな魅力です。
人と協働しながら、記事を通して「より良い形」を追求することに興味がある方。
そんな方は、ぜひ、楽待新聞の「記者職」に挑戦してみてはいかがでしょうか。