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2020.09.28

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を実践する!!

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

プロイセンやドイツ帝国で活躍し、「鉄血宰相」と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルク(1815年-1898年)の言葉です。

とても有名な格言ですが、実は意味を誤解している人も多いとか。
本日はこの言葉の本当の意味と、当社で行っているビジネスの場での実践例についてご紹介します。

目次

 1. 「歴史」は言葉通りの意味じゃない?
 2. どんな意味の言葉?
 3. 当社の実践例

「歴史」は言葉通りの意味じゃない?

格言を正確に読み解くために、まずはドイツ語の原文を確認してみましょう。

Nur ein Idiot glaubt, aus den eigenen Erfahrungen zu lernen.
Ich ziehe es vor, aus den Erfahrungen anderer zu lernen, um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.

直訳すると、

愚か者だけが自分の経験から学ぶと信じている。
私なら他者の経験から学び、最初から自分が失敗しないようにする。

となります。

広く知られている「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という日本語訳とは、少しニュアンスが違うのを感じ取っていただけたでしょうか。

直訳してみて分かる通り、この格言における「歴史」とは学校の授業で勉強するような「 学問としての 歴史」ばかりを指すものではありません。 ここでいう「歴史」はもっと幅広い意味で、「他者の経験」を指しています

ビスマルクの格言は、「何かを判断するとき、自分の経験頼みにならず、他者の経験に学ぶことでより良い判断ができる」という意味なのです。

英語圏で親しまれている

Fools learn from experience. I prefer to learn from the experience of others.

のほうが、原文と意味が近いかもしれませんね。

日本語に訳される際に「歴史」という言葉が使われたため、「歴史に学ぶとは、 学校で勉強する世界史や日本史の中だけから学ぶことだ」と誤解されてしまうことがあるようです。

本や動画学習サイトの活用など、体系的に「学ぶ」ことを大切にしています

どんな意味の言葉?

何かを判断するとき、自分の経験頼みにならず、他者の経験に学ぶことでより良い判断ができる。これは、つまりどういうことなのでしょうか。

この言葉は、「集合知」の活用を推奨していると換言できます。

「集合知」を辞書で引いてみると、「多くの人の知識が蓄積したもの。また、その膨大な知識を分析したり体系化したりして、活用できる形にまとめたもの」とあります。身近な具体例をあげると、みなさんが日常的に使う検索エンジンや映画やECサイトのレビュー機能、グルメサイトの口コミ機能などが「集合知」に該当するといえるでしょう。

みなさんは、どの映画を観ようか迷っている時に、映画のレビューサイトを見ることはありますか?もしとある映画に「この映画は見る価値がない」というレビューがついていたら、これではない別の映画を見ようかな、と考える方も多いのではないでしょうか。

また、ネットショッピングをするとき、口コミの内容や星の数を指標に商品を比較したりはしませんか?美味しい飲食店を探すときにも、グルメサイトで5段階評価の数字を目安にすると思います。

こうした経験のあるみなさんは、すでに「歴史に学ぶ」を実践できています。

レビューや口コミは、サービスを受けた人が自分の経験をもとに書き込むものです。つまり、レビューや口コミが集まるwebサイトには「他者の経験」がたくさん集められ、誰でも見やすくまとめられた「集合知」が形成されているといえるのです。

「集合知」を活用すれば、自分ひとりで考えるよりずっと早く良い成果を得ることをわたしたちは知っています。このように、私たちは 知らず知らずのうちに「歴史に学ぶ」を実践しているのです。

当社の実践例

では、ビジネスの場で「歴史に学ぶ」を実践するために大切なことはなんでしょうか。ここまで読んできたみなさんならお分かりかと思いますが、集合知のアーカイブ(重要な記録を保存し未来に伝達する場)を作ることです。そこで、当社では以下のような取り組みを行っています。

必要な情報に、誰もがアクセスできるよう心がけています

・社内SNSへの投稿

商談の成功事例や失敗事例や社内外との打ち合せ、初めての作業を行ったときなどは、メモレベルだとしても社内SNSに投稿します。後から検索して見返すことができるので、非常に便利でとても助かっています。

誰でも気軽に発言できる社内SNSに投稿することで、記録そのものはもちろんのこと、「当時誰と、どんなやり取りがあったのか?」までまとめて残しておくことができます。後で記録について詳しく知りたくなったとき、誰に話を聞きに行けばいいのかがすぐわかるのです。

・過去資料の共有ドライブへの蓄積

データやマニュアルは、担当者のPCや本人だけが分かる場所に保存するのではなく、共有ドライブに格納して蓄積しています。 この作業により、業務の引き継ぎが格段に楽になります。

みんなでマニュアルを作って共有することで、多くの経験が体系化されたよりわかりやすいマニュアルができあがります。もちろん、他の人が探しやすいように、ドライブ内のフォルダ階層をわかりやすく管理することも大事です。

・設立記念パーティで振り返る

年に一度、設立記念パーティを実施しています。パーティでは会社創業以来の歴史を振り返るコンテンツが用意され、社歴が浅い社員も、会社の成功と失敗の変遷を学ぶことができます。

・社員に聞く

周囲の社員に聞いてみることで、解決できることが多くあります。また、中途入社者に前職の経験を聞くと、近しい経験を持っていたりします。社歴の長い社員や、前職でさまざまな経験をしている中途社員に聞くことで、業務スピードや質が格段に上がります。

この記事を制作する際にも、実はこの「社員に聞く」を実践しています。冒頭にご紹介した、格言の原文からの直訳文。こちらは筆者が自分で訳したものではなく、ドイツ語が得意な社員に聞いて翻訳してもらったものです。

自分だけでなんとかしようとするより、課題に対する知見をすでに持っている人の力を借りるほうがより早く、より良い成果を得ることができます。

設立記念パーティでは社員一同、会社の歴史を振り返ります

最後に

こうして集合知を作ることで、より良い判断がスピーディにできるようになります。そして、それは会社全体の生産性の向上に繋がります。

ファーストロジックでは、歴史を振り返りやすくするため、「社史」を作成し公開しています。ぜひこちらも読んで、当社への理解を深めてくれたら嬉しいです!興味を持っていただいたら、新卒採用・中途採用にエントリーもお願いします。

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